利回り

不動産投資において、よく耳にする「利回り」とは、「満室時における年間予想収入」を「物件価格」で割って得られた割合を指していることが多いです。
一般的には「表面利回り」と呼ばれています。

例えば、
物件価格が1億円、年間家賃収入が800万円とすると、
800万円÷1億円=0.08、つまり8%となります。
仮に全額自己資金で購入した場合は、12.5年(1億円÷800万円)で自己資金が全額回収できる計算になります。
但し、年間収入が12.5年間変わらないという前提なので、あくまで目安です。

投資分析においては、この利回りよりも重要なのが「実質利回り」と呼ばれるものです。
年間家賃収入から管理委託料修繕費固定資産税火災保険料など物件を維持するための経費を引いて残った金額」を「物件価格購入時の諸費用合計額」で割って得られた割合を指します。

先ほどの例で、
購入時の諸費用800万円、諸経費の合計200万円とすると、
(800万円-200万円)÷(1億円+800万円)=0.055、つまり実質利回りは5.5%ということになります。

シミュレーションソフトでは…

弊社が使用するシミュレーションソフトでは、次のように計算します。

  • 総潜在収入
    満室時における想定年間家賃収入です。その物件が持つポンテンシャルで「表面利回り」の基になります。
  • 実行総収入
    潜在総収入から空室により家賃が入らない期間や家賃滞納による未回収損失などを引いた実質家賃収入です。
  • 運営費
    表2に示す各項目の合計です。修繕費・火災保険料・管理委託料・固定資産税など物件を維持するための費用です。
  • 営業収入
    実行総収入から運営費を引いた金額で純収益です。「実質利回り」の基になります。

表1のキャッシュフロー分析は

  • 物件価格1億1500万円、諸経費828万円(総投資額は1億2328万円)
  • 自己資金1500万円
  • 実効総収入は総潜在収入の95%
  • 運営費は表2の合計額
  • 借入金1億828万円、借入金利2.0%、返済期間30年

とした場合、1年目の借入金返済後の税引き前キャッシュのシミュレーションです。

このケースでは、
表面利回り=915.6万円(総潜在収入)÷1億2328万円(総投資額)=0.074(7.4%
実質利回り=670.0万円(実行総収入)÷1億2328万円(総投資額)=0.054(5.4%
であることが分かります。

投稿者プロフィール

H.Matsumoto
H.Matsumoto執行役員 専務
不動産取引の実務家として30年以上にわたり、売買や賃貸借の仲介、管理、開発、土地活用などに携わってきました。
不動産取引は個別性が強く、予期しないトラブルもしばしば起こります。
今後も皆様のお役に立てるよう日々研鑽を重ねて参ります。

主な経歴
20代~都内の賃貸専門店にて仲介営業、仕入れ業務に携わる。店長職を経験。
30代~ガソリンスタンド、コンビニ、ドラッグストアなど事業用借地権による用地取得交渉、開発業務に携わる。近畿圏にて実績多数。
40代~賃貸管理会社にて財務責任者、家賃滞納の債権回収業務に携わる。賃貸管理のデータベースを独自で作成し社内で運用する。
50代~売買仲介を主軸に、収益物件の売買、競売・任意売却など特殊売買に携わる。現在に至る。このホームページの管理者。