水道メーターの名義変更

家や土地を売買するときには、名義変更の手続きが必要なものがあります。
まずは、不動産登記の名義変更ですが、一番大切な名義変更ですからこれを怠る人はいないでしょう。
なぜなら、不動産は登記することによって自分の権利(所有権)を第三者に主張(対抗)することができるからです。
(銀行など金融機関から住宅ローンを借り入れた場合は、その不動産を担保として抵当権が同時に登記されます。)
それ以外には、電気、ガス、水道などライフラインの閉栓・停止や開始の手続きが必要なのはお分かりの事と思います。

特殊な例としては、電柱や支線がその土地上にある場合です。
各電力会社は、土地の所有者に毎年賃借料を支払っています。
一方、電力会社はリアルタイムに所有者をチェックしているわけではありません。
賃料そのものは微々たるものですが、放っておくといつまでも賃料がもらえないので、こちらから名義変更を申し出るほうが良いでしょう。

そして、以外と忘れがちなのが、水道メーター(給水装置)の名義変更です。
実際の取引であった話ですが、家が建っていた土地を家を解体して更地にして売買した時のことです。
その家は貸家として所有者(売主様)が賃貸していましたが、借主が退去したのを機会に建物も古かったため解体して土地を売却することにしました。
後日、現地に設置した当社の看板を見て、元この土地の所有者と名乗る人物から「ここの水道メーターは私名義のものだから撤去させてもらう。」と電話がありました。
一瞬嫌がらせの電話かと思いましたが、念のため所轄の水道局へ問い合わせ事情を説明したところ、現在の土地所有者ではなく電話を掛けてきた人の名義であることが判明しました。

話を整理すると、元々この土地は45年前に分譲され土地ですが、給水メーターは当時の分譲主の名義のままだったのです。
今回の売主様は、分譲時から数えて2代目の所有者で、当時の経緯は全く分かりません。
通常、新たに水道を引き込む場合は、市町村により金額は異なりますが、加入金や分担金等の一時金を支払う必要があります。
いわゆる権利金的なもので払いきりのお金です。
分譲当時、その権利が土地売買とともに承継されていなかったという、当社も「まさか」との思いでしたが、初期調査の重要性を再認識させられた事例です。
今回、新たな買主様には、水道を使用する際は一時金の支払いが必要であることを重要事項説明書に記載し、ご理解いただきました。

また、別の売買取引でも給水メーターの所有者が変更されていないケースに、しばしば遭遇します。
四日市市の場合は、元々の所有者から承諾印がもらえない場合、名義変更の申請書と売買契約書や登記事項証明書などで、自分が新たな所有者であることを証明すれば名義変更してもらえます。

水道メーターがある土地や家の売買は、後日のトラブルを避けるためにも、必ず現所有者を確認し忘れずに名義変更してください。

投稿者プロフィール

H.Matsumoto
H.Matsumoto執行役員 専務
不動産取引の実務家として30年以上にわたり、売買や賃貸借の仲介、管理、開発、土地活用などに携わってきました。
不動産取引は個別性が強く、予期しないトラブルもしばしば起こります。
今後も皆様のお役に立てるよう日々研鑽を重ねて参ります。

主な経歴
20代~都内の賃貸専門店にて仲介営業、仕入れ業務に携わる。店長職を経験。
30代~ガソリンスタンド、コンビニ、ドラッグストアなど事業用借地権による用地取得交渉、開発業務に携わる。近畿圏にて実績多数。
40代~賃貸管理会社にて財務責任者、家賃滞納の債権回収業務に携わる。賃貸管理のデータベースを独自で作成し社内で運用する。
50代~売買仲介を主軸に、収益物件の売買、競売・任意売却など特殊売買に携わる。現在に至る。このホームページの管理者。