「うちは仲がいいから大丈夫」——そう思っていたご家族が、相続をきっかけに関係がこじれてしまうことは少なくありません。
相続トラブルは、財産の有無や兄弟仲の良し悪しに関係なく、誰にでも起こり得る問題です。
ここでは、三重県四日市市で実際にあった相続相談事例をもとに、どんなトラブルが起き、どのように対応したかをわかりやすくご紹介します。
💼【事例①】兄が実家を勝手に売却。私の持分はどうなる?

父の死後、相続手続きが始まっていないにもかかわらず、兄が実家を第三者に売却していたことが分かりました。
私は共有名義だと思っていたため、大きなショックを受けました。

相談者(弟)
「勝手に売られていたなんて信じられません…」
登記簿を確認したところ、実家は父名義のままでした。
遺産分割協議を経ない不動産売却は原則無効となるため、家庭裁判所に調停を申し立てる方向で進めました。
不動産は「名義」と「合意」が揃ってはじめて処分できます。
勝手な売却でも、後から権利を主張できる場合があります。
💼【事例②】内縁の妻が「私にも財産の権利がある」と主張


父と長年同居していた女性が、父の死後「自分にも財産の権利がある」と主張してきました。
私たち子どもは戸惑い、どのように対応すればよいのか分かりませんでした。



相談者(長女)
「お世話になっていたとはいえ…正直、困惑しています。」
内縁関係では原則、法定相続権は認められません。
ただし、寄与分や遺言による遺贈など、例外もあるため事実を丁寧に確認。
遺言書の有無を調査し、調停も視野に入れました。
法的な関係が曖昧な場合でも、感情面の配慮が重要です。
家族全体の納得を得るため、専門家を交えた話し合いが必要です。
💼【事例③】実家をもらう兄、代償金を求める弟。話し合いが平行線に


母の遺産分割を巡って、長男が「実家は自分が相続する」と主張。
他の兄弟は「代償金を払ってほしい」と言い、話し合いは平行線に。



相談者(次男)
「兄が介護したのは事実。でも公平に分けてほしいんです。」
不動産評価を行い、法定相続分と照らし合わせて代償金額を算出。
寄与分の主張が法的に成立するかも検討しました。
調停手続きによる中立な場で話し合いを実施。
介護=全財産を相続というわけではありません。
感情論になりやすい場面こそ、第三者の判断が有効です。
💼【事例④】母の預金を妹が一人で引き出していた


母が亡くなった後、妹がひとりで口座から預金を引き出していたことが判明。
他の兄弟から「不公平だ」と不満が噴出しました。



相談者(兄)
「相続の話もしていないのに、勝手に…」
銀行の取引履歴を確認。
使途不明金の一部が特別受益に該当する可能性もあり、協議が難航する前に家庭裁判所での調停を提案。
口座の動きは証拠が残りやすいため、早期に確認を。
金銭的な不透明感があると相続全体の信頼が損なわれます。
💼【事例⑤】祖父名義の土地を放置していたら相続人が10人以上に…


祖父の土地を名義変更せずに放置していたところ、代替わりが進み、相続人が10人以上に。
売却や活用もできず困っているとのご相談でした。



相談者(孫)
「こんなに複雑になるとは思っていませんでした。」
戸籍を収集し、全相続人の確認。
代表相続人制度や相続登記義務に基づき、段階的な手続きをご提案しました。
放置された土地ほど、のちの手間が膨大に。
相続登記の義務化も進んでおり、早めの名義整理が必要です。
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相続は「誰でも」もめる可能性があります。
金銭・不動産・家族感情が交錯する相続問題。
事前の準備や専門家の関与があるだけで、争いを回避できるケースがたくさんあります。
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